ニューロフィードバックの効果を劇的に高める「呼吸法」

QEEGニューロフィードバック
ニューロフィードバック
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「ニューロフィードバックを受けに来たのに、なぜ呼吸?」

ニューロフィードバックをご検討中の方や、トレーニングを始めたばかりの方から、このようなお声をいただくことがあります。

ニューロフィードバックは、脳波を測定し脳波がより好ましい状況になったときに、画面の映像や音でフィードバックを行い、より好ましい状態を学習させる手法です。

このニューロフィードバックの効果を最大限に引き出すには「より適切な呼吸法」があります。

逆にいえば、ニューロフィードバックの学習にふさわしくない呼吸をした状態で、ニューロフィードバックを受けると学習が困難になり、場合によっては学習性無力感になってしまうなど、ネガティブ要素が高くなってしまうのです。

過剰な呼吸(浅く速い呼吸や大きな呼吸)は脳の学習を邪魔する

ニューロフィードバックは、脳が目指すべき「より好ましい状態」になった瞬間に映像や音で報酬(ご褒美)を知らせることで、無意識のうちに「より好ましい状態」を学習していくトレーニング(オペラント条件づけ)です。

しかし、「過剰な呼吸(浅く速い呼吸や大きな呼吸)」をしてしまうと、ニューロフィードバックでの学習を妨げてしまうことが分かっています。

筋肉の緊張によるノイズ

大きく呼吸すると、筋肉も大きく動きます。筋肉が大きく動いた結果、脳波に筋電というノイズが混入します。

ノイズが混じった脳波でニューロフィードバックをすることはできませんし、ノイズがあるために報酬(ご褒美)が減少してしまい、学習することが困難になります。

筋電(EMG)ノイズによる随伴性の喪失:筋肉の緊張から発生する電気信号(筋電アーチファクト)は、脳波と周波数帯が重なります。筋電が脳波に混入すると、「実際の脳波状態」と「報酬」の正確な結びつき(随伴性)が破壊されます。

脳波がガチガチになり、動きずらくなる

ニューロフィードバックは、変動している脳波を分析して、好ましい状態になったときに、報酬(ご褒美)をフィードバックしますが、脳波が動きづらい状態では、好ましい状態の発生が少なくなり、学習の難易度が増します。

まるで解き方や公式を知らないのに、二次方程式の問題を回答させているような、無謀な学習となってしまいます。

脳波のダイナミックレンジの喪失:極度な緊張状態では、脳波が一定のパターンにロックされ、目標とする状態が自然発生する確率が極端に低下します。

脳の喜びが減る

一般的に不安や緊張が強いと呼吸は浅く短くなり、ニューロフィードバックで学習をするために必要な脳内物質のひとつであるドーパミン(ドパミン)がうまく動いてくれなくなります。

結果として、ニューロフィードバックのトレーニングを妨げてしまいます。

ドーパミン(ドパミン)は、何かを達成したときや楽しいことをしているときに脳内で分泌される物質で、長期記憶の形成に必要な物質である他、やる気や快感を生み出します。

脳への酸素供給が減る

呼吸が「浅く速く」なると、体内の二酸化炭素が過剰に排出され、血液がアルカリ性に傾きます。

血液がアルカリ性に傾くと脳の血管が収縮し、脳への血流が低下してしまい、脳の学習を邪魔してしまいます。

さらに、過度な呼吸で血中の二酸化炭素が過剰に排出されてしまうと、血液の中にあるヘモグロビンが酸素を手放しづらくなり、脳に届く酸素の量が減ってしまいます。

結果として脳の活動が低下してしまいますので、脳の学習を難しくさせてしまいます。

静かなゆっくりとした呼吸がニューロフィードバックに必要不可欠

では、どのような呼吸がニューロフィードバックに好ましいかというと、静かでゆっくりとした呼吸です。

個人差がありますので一概には言えませんが、5秒で鼻から息を吸い10秒で鼻から息を吐くリズム、音を立てない静かな呼吸です。

静かでゆっくりとした呼吸が脳を「最高の学習モード」にしてくれるのは、次の理由があるからです。

心拍を落ち着かせる

人間の心拍は、息を吸う時に速くなり、吐く時に遅くなるという自然な変動を持っています。

「吸う時間を短く、吐く時間を長くする、ゆっくりと静かな呼吸」をすることで、心拍がゆっくりと落ち着き、心身の過剰な緊張が穏やかに鎮まることで、筋肉のノイズが減り、ドーパミンによる学習が成立しやすい環境が整います。

報酬系(ドーパミン伝達)の阻害:過度な不安や過度なストレス状態では、ストレスホルモン(グルココルチコイド)の過剰分泌がドーパミン受容体の感受性を変化させます。これにより、フィードバックに対する脳の無意識の報酬処理が鈍化します。

また、心拍変動HRVの値を高くしておいた方がニューロフィードバックによる学習が進むことがわかっています。

心拍変動HRVはFitbitやGarmin、Apple Watchなどのスマートウォッチで計測できることが多いので、お持ちの方はぜひチェックしてみてください。

脳へ酸素をしっかりと送る

深く激しい呼吸をしたり、口呼吸になると、体内の二酸化炭素が過剰に排出されます。

すると血中の二酸化炭素濃度が減少し、血液がアルカリ性に傾いて(呼吸性アルカローシス)脳の血管が収縮するだけでなく、酸素解離曲線が左側へ移動(左方偏位)し、脳を含む組織への酸素供給がしにくくなります。

逆に、「吸う時間を短く、吐く時間を長くする、ゆっくりと静かな呼吸」をすることで、血液中の二酸化炭素濃度を保ち血中pHの濃度を適切に保つことができ、ニューロフィードバックの学習効果が高まります。

あなたにとっての最適な呼吸をつかむ

ニューロフィードバックを受ける前に、ニューロフィードバックを受ける時の呼吸法をマスターしておくことは、ニューロフィードバックの成功に欠かせません。

先ほど、1分間に4回程度の呼吸(5秒で吸い10秒で吐く)をご紹介しましたが、個人差がありますので、あなたにとって1分間に4回の呼吸が適切なのかは別問題です。

さらに、リラクゼーション誘発不安(過度なリラクゼーションにより不安になる現象)を防ぐ呼吸も必要になるケースや、発達障がいなどでうまく呼吸の調整ができない方もいらっしゃいます。

したがって、あなたにとっての呼吸法をお伝えしないと、ニューロフィードバックの効果が出ないことにつながってしまいますので、当施設では、QEEGなどを使ったベースライン測定やニューロフィードバックプロトコルの作成の他、呼吸法を含めた心身の土台づくりから、あなたに最適な無理のないトレーニングプランをご提案しています。

適切な呼吸で新しい「脳の良い状態」を一緒につくっていきましょう。

参考文献

A Practical Guide to Resonance Frequency Assessment for Heart Rate Variability Biofeedback. Fred Shaffer et al. 2020

Harnessing non‑invasive vagal neuromodulation: HRV biofeedback and SSP for cardiovascular and autonomic regulation (Review). Asaf Gitler et al. 2025

この記事を書いた人

東京 御茶ノ水駅 徒歩1分 ニューロフィードバックとQEEG専門施設 律駆合同会社
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