トラウマを克服するなら、考え方も大事
8割近い方がトラウマを抱えているという調査結果があるようにトラウマは身近なものです。
上手に付き合っていくには、トラウマの解釈方法(考え方や捉え方)を知っておくことが大切です。
目次
トラウマに限らず悩んでいると一元的になっている
クライアント様が「答えはひとつだ」というような一元的な考えになっていると、悩みが深くなります。
「トラウマで落ち込みます」という裏には、「トラウマは落ち込むもの」という考えがあります。
「学校に行けません。学校に行くと、怒りがわいてきます」という裏には「学校が怒りの場」という考えがあります。
「生きる道はこれしかない!」という裏には、「断定」して自分自身を苦しめています。
考えが固まってしまうと、悩みは深くなる一方ですから、トラウマを一元主義的に捉えてしまうと、考えが固まり動けなくなってしまうのです。
一元的な考え方では、オンリーワン、これしかない、答えはたった一つ・・・というような考えになっているので、真っ直ぐにしか見れない、まるで井の中の蛙のようになっているのです。
さらに、トラウマが深ければ深いほど、考えが堅牢になってしまいます。
すると、周囲の方の指摘やアドバイス、親切心などに気がつかなくなってしまうのです。
トラウマの渦から抜け出すには、多元的な考えを受け入れる
暗闇のようなトラウマから抜け出すには、多元的な考えを受け入れることが必須です。
多元的解釈とは?
多元的解釈を簡単にいうと、「多様なものの中から良いものを選択する」ことです。
多元的解釈と逆な解釈として、一元的な解釈があります。
「これしかない」「答えはひとつだけ」というのが一元的な解釈です。
また、「何でも混ぜてひとつにする」折衷主義的な解釈もあります。
多元主義では「判断・選択」がありますが、折衷主義には「判断・選択」はありません。
よく多元主義と折衷主義を誤解してしまうので注意が必要です。
ご自身で考えている以上に考えやトラウマが固まってしまっています
少しずつ多元的な解釈をするようになると例えば、「学校に行けません。学校に行くと、怒りがわいてきます」という考えが、「他の人とは、学校は楽しいと思っているのはわかるけど、自分にとって学校は怒りしかありえない」と少し広がっていきます。
もし、多元的な解釈ができなければ、「学校が楽しいと感じている人は異常である。誰にとっても学校は怒りを抱く場所だ。」
さらにエスカレートすると「学校に通うのは、異常である。」という考えに至ってもおかしくありません。
どうすれば、多様な考えができるようになるのか
トラウマや問題が異なるため、「〜〜ですべてが解決!」とは言えません。
ただし、共通して使える手法として、次の2つがあります。
- 状況を俯瞰して眺めてみる
- 様々な考え方があることを知る
症状によって使えるときと使えないときがあるのが次の方法です。
- 多様な考え方があることを物語で伝える
- 催眠療法の手法を使って、多様な考えを伝える
いずれにせよ、ケースバイケースで多様な考え方ができた方が有利ということを、説得するのではなく納得でもなく、理解できるように伝えていきます。
ちなみに心理カウンセリングでは、次のように伝えることが多いです。
- 様々な見方があるんだよ
- 考え方は多数あっていいんだよ
- 世の中には様々な価値観が存在するんだよ
実際に変化すると
実際に変化し症状も良くなっていくと、次のような表現に変化することが多いです。
- 以前悩んで辛かったときは、考えがひとつに凝り固まっていた
- どうして、コレしかないと考えていたんだろう?
まとめ
一元的な考えをしていると、ギューっと固まってしまう縮退をいう現象を起こしてしまい、動けなくなってしまいます。
同時に、脳の機能も固まった状態を正しいと思い込んでしまいます。
トラウマで非常に苦しんでいるのなら、もしかしたら一元的な考えになっているのかもしれません。
一元的な考えになっていないか、ぜひチェックしてみてください。