子供のけんかを禁止するのはNG
子供のけんかをやめるように言っても、けんかを禁止しても逆効果です。
行動療法の側面から、逆効果の理由と適切な方法をお伝えします。
目次
子供に「けんかをしてはダメ!」と言うのはダメな理由
けんかをしてはいけません。
ゲームをしてはいけません。
髪を染めてはいけません。
けんか以外でも、~~を禁止することがあるでしょう。
将来、禁止が無くなったとき、反動で禁止されていた行為を人間はしてしまいます。
禁止が無くなったとき、反動が出る理由
禁止のとき、オペラント条件づけで行動(けんか、ゲームなど禁止されている行動)が抑制されます。
禁止が取り除かれたとき、行動の抑制が無くなりますから、けんか、ゲームなど禁止されていた行動をしてしまいます。
一般的に、何もしないで(禁止しない)いるより、禁止されていたことが取り除かれた方が行動の頻度が多くなります。
けんかを無理やりやめさせるのも問題
子供はけんかで「自分と他の人の区別」「人間関係」「社会的なルール」などを学びます。
もし、けんかを禁止したり、やめさせたりすると、学ぶ機会が失われます。
結果、自立した大人になることができなくなる可能性が大きくなります。
けんかにいつも勝つと、力で解決するようになる
けんかで、いつも勝ってしまうと、次のような強化(オペラント条件づけ)がされてしまい、何でも力で解決するようになってしまいます。
けんかをする→
けんかに勝ち自分の思う通りになる→
「けんかで解決できる」と思う→
いつもけんかをする
けんかがいじめになることもある
けんかをしたときに、抵抗しないと(一方的に殴られるなど)けんかが強化され、いじめになってしまうことがあります。
けんかをする→
相手が抵抗しない→
暴力で「言いなりにできる」と思う→
いじめへと発展
けんかに負け続けると、無気力になる
逆にけんかが弱くて、常に負けてしまうと、次のような強化(オペラント条件づけ)がされてしまい、人生は暗いものと思ってしまいます。
けんかをする→
けんかに負け自分の思う通りにいかない→
「自分はできない」と思う→
無気力・自信を失う
親は子供のけんかを見守り、必要に応じてフォロー
けんかは、子供の成長にとって大切な行動だと考えて、見守りましょう。
けんかが一方的になったり、相手に後遺症が出るような状態になりそうだったりしたときは、けんかを止めましょう。
けんかが終わったら、けんかの原因となった気持ちを聞きましょう。
4歳ごろまでは、相手の気持ちを察するのが難しいので、親(大人)が「相手は~~~という気持ちだったと思うよ」と伝えましょう。
4歳よりも上なら、子供と一緒に相手の気持ちを考えてみましょう。
なお、成長の度合いによっては、4歳でも相手の気持ちを理解できないことがあります。
けんかを禁止するのではなく、仲良くできたことを褒めましょう(仲良くすることを強化)。
気持ちが一杯一杯で、対処できないのなら相談を
子供は親を見て聞いて感じて育ちます。
親の気持ちが一杯一杯だと、子供も一杯一杯の気持ちになっています。
子供のけんかを終わるのを見ていられない、子供にけんかの原因となったことを聞き出せない、褒めることができない、体がいうことを聞かないのなら、気持ちが限界ギリギリになっています。
このような場合、ニューロフィードバックをを受けると、脳に余裕が生まれ、気持ちにもゆとりが生まれます。
お子様の成長のためにも、ぜひ受けてみてください。