投稿日:2019/11/09

うつ病が治らないと感じたら

うつ病が治らないと感じたら
心理学
この記事は約 7 分で読めます。

お薬を飲んで休んでいるのに、うつ病が良くならないと「うつ病はもう治らない」「人生終わった・・・」「諦めるしかないのか・・・」と思い始めてしまいます。

うつ状態で大変なのに、苦しんでいるのに、治らないのは、火に油が注がれているかのように、本当に辛いです。

でも、安心してください。

「うつ病が治らない」方に伺ってみると「お薬だけ」のことが多い

9割がお薬だけ

「うつ病が治らない」という訴えを持って、当施設へ訪問される方にお伺いすると、「お薬だけ」という方が9割。「お薬の他にカウンセリングを受けた」という方が1割という結果でした。

結果がこのようになってしまうのは、「うつ病は風邪みたいなものだから、お薬を貰えば治る」という誤解を持っていて、「薬を飲んでいるのにうつ病が治らない」となってから、「どうしたらうつ病が治るのか?」と考え始めるからだと思います。

また、うつ病のことを知らないご家族の方々も「お薬を貰えばうつ病は治るから、お薬を飲んでいないのでは?」と誤解していることもあります。

まずは、うつ病の基本的な治療から、うつ病が治らない理由を探っていきましょう。

うつ病の基本的な治療

うつ症状に合わせ医師から処方されたお薬を使う薬物療法が一般的なうつ病治療です。

まずは、飲んでいるお薬をチェック

お薬を薬局でもらうときに、説明されると思いますが、どのようなお薬にも、ベネフィット(効果)と副作用があります。

お薬のベネフィットと副作用を、お薬の製造メーカーが公開している添付文書で確認しましょう。

添付文書の入手方法は2通りあります。

  1. 薬局でもらう
  2. ネット検索

添付文書に書かれている副作用のことを考えて、お薬を止めるのは危険です。絶対にやめましょう。

自己判断でお薬を止めると、抗うつ薬中断症候群や様々な問題に直面してしまうことがあるからです。

うつ症状が消失した状態を目指す

うつ病の薬物療法では治る(治癒)ではなく、うつ状態にならない寛解(かんかい)という「症状が落ち着いて安定した状態」になります。

うつ状態になりやすい行動や考え方、脳の使い方は変わっていません。

症状がおさまっているだけで、何も変わっていませんから、「うつ病が治らない」と感じてしまいます。

また、寛解になったとしても、何も変わっていないので、再発する可能性があります。

寛解といえども、お薬による治療は継続する必要があります。

うつ病の治療には心理療法もある

心理療法もある

うつ病の治療にはお薬の他に、心理療法(精神療法)があります。

心理療法といっても、認知行動療法、クライエント中心療法、精神分析、ACT(アクト)、バイオフィードバックなど様々な方法があります。

お薬を飲んでも、うつ病が治らなくて困っているのなら、心理療法を受けるようにしましょう。

心理療法では、うつ状態になりやすい行動や考え方、脳の使い方を変える

心理療法では、うつ状態になりやすい行動や考え方、脳の使い方を変化させることができます。

別のいい方にすると、うつ病が治らないときに考えてしまう癖を心理療法でなおしていくのです。

うつ病が治らないときに考えてしまうこと

うつ病が治らないと考えてしまうこと

「薬を飲んでいるけれども、うつ病が治らない」と感じている方には、つい考えてしまうパターンがあります。

  • 休んでも治らない
  • 仕事を休める期間が終わるけど、変わっていない
  • 仕事に復帰するか、辞めるかの二択で、どうしたらいいか考えられない
  • 人生、諦めるしかないのか・・・
  • 自分はもう治らない

上のような考え方を無理に変える必要はありませんが、変えなければうつ病は治りませんし、うつ病が治ったと思っても、うつ病になる行動や考え方をしてしまうので再発してしまいます。

休んでもうつ病が治らない

一般的にうつ病を治すには、休息を取ることが大切だとされています。

しかし、「休めば良くなる」と聞いたから、休んでいたけれども、一向に良くならない。

このような訴えで当施設にいらっしゃる方もいます。

また、休み過ぎて、ひきこもりになってしまい外出が困難になってしまっていたケースもあります。

休みが大事だと知っていても、休めない

「休息したいけど、〇月〇日までにうつ病を治す必要がある」という考えが頭に浮かんでしまい、焦り休めなくなったり、周囲の環境がうるさくて休めなかったりするケースが多くみられます。

うつ病をこじらせて、抜け出せなくなってしまった方を施術していると、「休んでいるつもりだけど、脳が休んでいない」ことが頻繁にあります。

脳を休ませるには、話すタイプの心理療法だけでは、足りません。

脳に直接学習させるニューロフィードバックを使って、脳を休ませるのがおすすめです。

休職できるのは、残り1ヶ月。でも変わっていない

多くの場合、休職は休む前に3ヶ月や6ヶ月と期間を決めます。

休職し始めはいいのですが、休職期間が残り少なくなってくると「うつ症状が良くなっていない」と感じてしまい焦ってしまうことがあります。

「休職期間を延長するにしても、延長できそうもない」「休職期間が終わるから復帰するけど、うつ症状は変わっていない」という方もいらっしゃいます。

休職しても症状が変わっていない方が復帰しても、再度休職することになるのですが、無理して復帰してしまう方が多いようです。

休職して自宅で休むだけではなく、休職中に心理療法を受けるようにしましょう。

うつ病の治療中に決断が必要になる

うつ病の治療中は、決断を先延ばしにした方が良いとされています。

しかしながら、社会的に決断を迫られてしまうことが多々あります。

親身になってくれるカウンセラーがいれば良いのですが、誰にも相談できず人生を捨てるような決断をしてしまう方がいらっしゃいます。

これも、心理療法を受けれいれば、回避することができます。

うつ病が治らないと感じたら

うつ病で治らないと苦労している方と、うつ病からスムーズに抜け出した方を比較

うつ病で治らないと苦労している方は、悪循環している

悪循環してしまうのは、うつ状態になる考え方や行動のパターンを持っており、抜け出せなくなっているからです。

抜け出せなければ、再発しますし悪化します。

考え方のパターンにハマっていることは、セルフケアではわかりません。

認知行動療法やリフレーミングなどを受ける必要があります。

実際、当施設を訪れたクライアントが「自分を楽にすることをやってきたつもりだったが、カウンセリングを受けたら自分を苦しめるパターンにハマっていたことに気づけた」とおっしゃっています。

うつ病からスムーズに抜け出せている人は、うつ状態になるパターンで考えていない

職場などで心理学などを学び、自分がハマりやすいパターンを知っている方は、比較的うつ状態になるパターンで考えないようにすることで、うつ病からスムーズに抜け出せています。

しかし、うつ病になってから同じ心理学を学んでも、抜け出せないようです。

「心理学を学びましたがうつ病が治りません」と訴えるクライアントが当施設に訪れているからです。

うつ病のときに行ってはいけないワークをしてしまっていたり、セミナーに依存したり、セミナーでテンションが上がったけど、終わったら下がってしまったりということが原因だと考えられます。

また、うつ病からスムーズに抜け出せている人は、積極的にうつ病を治そうとしている傾向がみられます。

うつ病が治らない人は、脳波が過剰に活発になっているところと、動いていないところがある

「うつ病が治った」という方と「うつ病が治らない」という方を比較すると、「うつ病が治った」という方は、脳波が比較的良い状態なのですが、「うつ病が治らない」という方は脳波が過剰に活発になっている箇所と、動いていない箇所があります。

うつ病の場合、左脳側が右脳側と比較し動いていないことが多いのですが、左脳側だけを活発にする手法を受けると、覚醒しうつ症状が緩和されるのですが、休もうとしても休めなくなり、抜け出すのが難しくなります。

右脳側が活発になり過ぎていることが多いからです。

大切なのは、右脳側を休ませてあげて左脳側を覚醒してあげることです。

「うつ病が治らない」と思ってしまったら〜まとめ〜

うつ病が治らないのなら次のステップを

うつ病が治らなくて困っていて、お薬だけで心理療法を受けていないのなら、カウンセリングなどの心理療法を受けるようにしましょう。

カウンセリングで、様々な考え方を取り入れられるようにすると、治りやすくなります。

また、人間関係の問題やトラウマも消していくと良いでしょう。

さらに、ニューロフィードバックで脳に学習させ、脳の状態を変化させる方法も検討しましょう。

多くの場合、以上の方法で、ほぼ解決します。

解決しない場合は、胃腸や内分泌、依存症など他の問題を抱えているケースがあり、複数の領域に対してアプローチしていく必要があります。

この記事を書いた人

東京 御茶ノ水駅 徒歩1分 ニューロフィードバックとQEEG専門施設
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