ADHDの治療法は、整理トレーニング、ペアレント・トレーニング、クラス・マネジメント、行動的仲間介入、SST、NF、薬
目次
整理トレーニング(Organization skills training)
整理トレーニングでは、整理整頓、時間管理、提出物の管理を教えます。
整理トレーニングで整理整頓、時間管理、提出物の管理ができるようになると、ADHDの症状の忘れ物や物をなくす、時間を忘れるといったことが緩和されます。
ADHD以外でも、忘れ物が多い方や時間にルーズな方にとっても役立つトレーニングです。
行動的ペアレント・トレーニング、行動的クラス・マネジメント、行動的仲間介入
行動療法が基になっている行動的ペアレント・トレーニング、行動的クラス・マネジメント、行動的仲間介入は、誰が実施するかで名称が変わります。
親がADHDの子供に対して実施するのが、ペアレント・トレーニング。
学校の先生がADHDの子供に対して実施するのが、クラス・マネジメント。
友達がADHDの方に対して実施するのが、行動的仲間介入です。
実施できるようになるとADHDに限らず、人間関係が円滑になるため、ぜひ学んでいただきたい方法です。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、列に並ぶなどの社会的スキルを、下記の手順で学びます。
- 学ぶスキルを知る(インストラクション)
- 「良い例」と「良くない例」を紙芝居や映像、劇などで見せる(モデリング)
- 「良い例」をロールプレイングで練習。指導者はできたところを見つけてほめる(リハーサル&フィードバック)
なお、最近の研究によると、ADHDの場合、衝動的に行動してしまうため、スキルを適切に学べないケースがあるため、SSTだけでは効果がないとされています。
行動的ペアレント・トレーニングなどとSSTを組み合わせ実施するなどが必要だと考えられています。
NF(ニューロフィードバック)トレーニング
ニューロフィードバックトレーニングとは、望ましい脳波の状況になったときに報酬を与えることで、脳の使い方を学習するものです。
ADHDのニューロフィードバックトレーニングは、主にTBR,SMRというトレーニングを行います。
標準的な脳波に近づけるニューロフィードバックトレーニングが用いられる場合もありますが、ADHDの場合は注意して使う必要があります。
なお、適切なニューロフィードバックトレーニングを実施できない場合、問題が発生する可能性がありますので、訓練を受けたセラピストによるトレーニングが推奨されています。
薬はコンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセ
コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)、ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)、インチュニブ(グアンファシン塩酸塩)、ビバンセ(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)があります。
薬によって、服用開始から効果が出るまでの期間が異なっており、コンサータが1週間弱、ストラテラが1~2か月、インチュニブ1~2週間です。
また、インチュニブ(グアンファシン塩酸塩)は2017年5月から6~17歳の小児ADHDの治療薬として承認、使用されるようになり、2019年6月に大人への使用が許可されました。
ADHDの方は薬を飲み忘れることがありますから、ピルケースの使用など配慮が必要です。