ニューロフィードバックを別角度(フィードバック制御モデル)から考えてみる
ニューロフィードバックと似たようなものに、フィードバック制御があります。
フィードバック制御とは、機械の制御方法のひとつです。
目次
フィードバックモデル
入力に「A」を入れたとき、「B」が出力される装置があったとします。
例えば、スマホで「あ」と入力したら「あ」と表示される状態です。
電卓で「1+4=」と入力すると「5」と表示される状態と考えても良いでしょう。
出力がエラーになった
入力に「A」を入れたとき、「B」が出力されるはずなのに、「エラー」という出力になってしまいました。
多くの場合、入力ミスを疑います。
簿記の計算なら、どこか数字が間違っていないか
レジなら、商品を2回スキャンしていなか
電卓なら、入力を間違っていないか
でも、入力に間違いはありませんでした。
しばらく観察してみると、正しい出力のこともあれば、エラーになることもあることがわかりました。
(エラーと表現は少し違いますが、わかりやすくするためにエラーと表現しました)
電卓では考えにくい出力結果ですが、例えば、車のアクセルが一定であっても、坂道で速度が低下してしまう現象など、機械装置(操舵角、速度など)では、考えられる出力結果です。
料理でも素材の違いや使用する調理器具の特性が違いますから、あり得る結果でしょう。
正しい出力結果が得られたときにだけ、フィードバック
そこで、正しい出力結果が得られたときにだけ、装置に対して「正しい出力である」ことを伝えるようにしました。
余談ですが、機械を制御するとき、出力を測定し、装置に測定結果を戻し演算し、出力状態を制御する方法をフィードバック制御といいます。
主に、精密な制御が必要なときや故障診断に使われることが多く、ベルトコンベアの速度を測定しておき、何らかの影響で速度が変化したときに、速度を戻す制御をする方法や、自動操舵で操舵角が適切であったかを監視する目的などでフィードバック制御は用いられます。
・・・大学の研究やら、現場で調整していたので、懐かしい思い出です・・・
話を戻して、しばらく正しい出力結果が得られたときにだけ、装置に対して「正しい出力である」ことを伝えていたら、エラーを出力する頻度が低下し、正しい出力になるケースが多くなりました。
装置を脳に置き換えると、ニューロフィードバックになる
お伝えしてきた、入出力装置のモデルの「装置」の部分を「脳」に置き換えると、ニューロフィードバックのモデルになります。
ニューロフィードバックモデルと、機械のフィードバック制御では、下記のような違いがあります。
ニューロフィードバックモデルと、機械のフィードバック制御の違い
- ニューロフィードバックモデルは、正しい出力のときに「正しいと伝える」
- 機械のフィードバック制御モデルは、常にフィードバックし、正しいかどうか制御する
車を運転していて、アクセルを一定にしているのに、速度が低下し動かなくなったのに、何もしない。(アクセルを踏んでいるのに車は進まない状態)←←←渋滞の原因
精神状態に置き換えると、行動をしたいのに、行動に結びつかない、心と体がチグハグになっている状態です。
このようなときにこそ、フィードバックが役に立ちます。
車なら、速度が低下しているから、もっとアクセルを踏む必要があると、フィードバックすることができます。
人間なら、フィードバックで心と体がチグハグになっている状態を修正することができます。
なお、ニューロフィードバックにおいて「正しい出力である」ことをフィードバックすると、エラーを出力する頻度が低下し、正しい出力になるケースが多くなるのは、オペラント条件づけやレスポンデント条件づけ、学習理論によるものです。