投稿日:2020/06/12

ADHDの治療薬

副腎髄質
ニューロフィードバック
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ADHDのお薬は、脳内の神経伝達物質であるドパミン、ノルアドレナリンを増やす作用があります。

まずは、ドパミンとノルアドレナリンについてご案内します。

ドパミン

ドパミンはドーパミンとも呼ばれます。

身体の運動、意欲、学習などを引き起こす神経伝達物質で視床下部や中脳などで合成されます。

また、発生学的には交感神経系の一部である副腎髄質、交感神経節後線維(交感神経系の節後ニューロン)でもチロシンからドパミンは作られます。

副腎髄質の場合:チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン

交感神経節後線維の場合:チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン

副腎髄質

血管の中(血液)にあるドパミンは、血液脳関門があるため脳内に入ることはできません。

ただし、ドパミンの前駆物質レボドパは血液脳関門を通過できます。

ドパミンは水溶性で、レボドパは脂溶性です。

なお、レボドパはパーキンソン病の治療薬のひとつです。

ノルアドレナリン

中枢神経系(脳)の興奮や、交感神経系の刺激などを引き起こす神経伝達物質です。

ドパミンから生成されます。

ドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン=カテコールアミン(副腎髄質ホルモン)

次に、実際のお薬についてご案内します。

コンサータ

コンサータの一般名は、メチルフェニデート塩酸塩です。

論文や学会では一般名で記載することが普通です。

論文などを探すときは一般名でも検索するようにしましょう。

脳内の神経伝達物質であるドパミン、ノルアドレナリンを増やす作用があります。

同じメチルフェニデート塩酸塩のお薬として、リタリンがあります。

通常リタリンはナルコレプシー(昼間の突然の睡眠発作)の治療薬として用いられます。

リタリンの不適切な流通や乱用者の存在が問題になり、同じ成分であるコンサータについても流通規制されています。

ストラテラ

ストラテラの一般名は、アトモキセチン塩酸塩です。

ノルアドレナリンの再取り込みを抑え(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)、ノルアドレナリン、ドパミンの濃度を上昇させます。

ノルアドレナリントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので、副作用も比較的少ないと考えられています。

また、依存・乱用になる危険性も極めて低いとされています。

インチュニブ

インチュニブの一般名は、グアンファシン塩酸塩です。

α2Aアドレナリン受容体という部分に作用するお薬です。

脳の前頭前皮質の錐体細胞の後シナプスにあるノルアドレナリンの受容体(α2A受容体)を刺激することで、シグナル伝達を増強させます。

ビバンセ

2019年3月に販売承認され、2019年12月3日より販売が開始されたお薬です。

ビバンセの一般名は、リスデキサンフェタミンメシル酸塩です。

詳しい作用はまだわかっていませんが、前頭前皮質及び線条体における細胞外ノルアドレナリンとドパミンの濃度を増加させる(ドパミン/ノルアドレナリン遊離促進・再取り込み阻害薬)と考えられています。

通常、1日1回投与で6~18歳の小児に用いられます。

なお、ビバンセは体内で「d-アンフェタミン」に変化するため、覚せい剤取締法による規制、流通規制があります。

ADHDのお薬は、医師の処方+「ADHD適正流通管理システム」に登録された薬局で購入することになります。

いつもの薬局では取り扱いをしていないこともありますので、ご注意ください。

また、ADHDの方は、飲み忘れをする可能性もありますから、飲み忘れのない工夫をするようにしましょう。

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