投稿日:2022/03/16

オペラント条件づけで考えるNGな子育て

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親が子を否定すると、行動は減少し、自信を無くす条件付けが成立してしまう

例えば、次のような行動をしたとしましょう。

  1. 子が自分でしたいと思った行動をする
  2. 親が叱る
  3. 行動が減る

多くの場合「親に叱られる」のは、子にとって罰(嫌なこと)ですので、行動する頻度は減少します。

子が嫌なことを親がしてしまうと、行動が減ってしまうといってもOKです。

これが、罰や弱化と呼ばれ行動する頻度が減るオペラント条件づけです。

「親に叱られる」ことが子にとって報酬(うれしいこと)になることもありますが…

別な道に行くかもしれませんね。

子が嫌なことを否定すると、何もしなくなる

例えば、

  • ダメな子だ
  • 不器用な子だ
  • 頭が悪い
  • 運動神経が悪い

といったことを親が言ったとします。

「ダメな子」だといわれた子は、最初は「ダメな子」だといわれないように行動するかもしれません。

「ダメな子」だといわれない行動を適当に試し(試行錯誤)、成功することもあれば、「ダメな子」と言われることが減らない場合もあります。

ただ、常に「ダメな子」と言われると、何もしなくなってしまいます。

学習性無力感(学習性無気力)というのですが、名前は横に置いておいて、子は何をやってもダメな人間」と学習してしまうのです。

「何をやってもダメな人間」と学習した結果、自信を無くす

「何をやってもダメな人間」と学習していますから、何をやっても自信はありません。

自信の出ないように学習してしまったわけですから、やる気も出ないでしょう。

良い悪いは別にして、オペラント条件付けが成立している状態です。

ランダムにいうと、さらに強烈に

「ダメな子」という頻度をランダムに言ってしまうと、さらに子の自信を無くします。

子は同じ行動をしているのに、「ダメな子」と叱られることもあれば、叱られないときもあるので、混乱しつつ、叱られないように行動するかもしれません。

変動比率強化スケジュールで学習をしてしまうので、抜け出すのがかなり難しくなってしまうのです。

変動強化スケジュールとは

変動比率強化スケジュールを簡単に言ってしまうと、ギャンブルと同じ学習です。

ギャンブルは、いつ報酬が発生するか100%予想できません。

いつ報酬があるかわからないので、学習が強くなってしまいます。

多くの依存症は変動強化スケジュールで学習されると考えられています。

言い方がキツイけど、抜け出すのは困難を極める

ご存知の方も多いのですが、依存症から抜け出すのは難しいです。

本当に大変です。

依存症と同じレベルで、自信を無くしてしまうのですから、生涯大変なものを背負ってしまいます。

抜け出すには、どうしたらいいの?

  • 何をしたらダメなのか、しっかりと説明する。
  • 良い行動をしたら、ほめる。
  • 「ダメな子」といったような曖昧な言葉を使わない。
  • 毎回、同じ反応にする。
  • 言葉だけではなく態度や雰囲気、表情にも気を付ける。

以上が基本です。

もう自信がないんだけど…

過去には戻れませんが、学習してしまったことを消去するにはどうしたらいいでしょうか?

現実をしっかりと客観的に認識してみる

まず、どのような条件付けなのか、客観的に振り返ってみることをおすすめします。

同じパターンを繰り返すと、条件付けが強くなるだけですから、同じパターンにならないようにすることが鉄則です。

例えば、「ダメな子だから…」といった否定を一切しないようにすると、少しずつ反応(自信を無くす考え)が弱くなってきます。

もちろん、表情や行動にも気を配る必要があります。

さらに、「自信をつけられるようにほめる」ことも大切です。

小さなことでも「ほめて伸ばす」という方法です。

  • 良い行動はしっかりと褒めてあげる。
  • 自分でも自分を褒める。
  • 褒めるときは、心の底から。

依存症と同じレベルで強烈に学習してしまっていますから、難しいですが諦めずに続けることが肝心です。

強烈に学習しているほど、消去は難しい。

ひとりで考えるのは大変だから、プロの力を借りるのも手

問題があったとき、当事者だけで考えて対応方法が見つからないことは、多々あります。

ビジネスで、コンサルや弁護士、社労士、税理士などに相談することは一般的です。

オペラント条件付けによる問題を考えるのであれば、行動分析を専門にしている心理カウンセラーに相談するのがいいでしょう。

余談ですが、ニューロフィードバックはオペラント条件付けをベースにしたもので、過去のトラウマをなくすことができる心理療法です。

自信が無く、過去のことでトラウマと同じように強烈になっているのであれば、ニューロフィードバックはひとつの改善方法になり得ます。

ぜひ、一度ニューロフィードバックを受けてみる(受けさせてみる)のもいいかもしれません。

どのような問題をお抱えなのかまとめ、ニューロフィードバックが有効かどうか確認できる初回面談をオンラインか対面で行っておりますので、お気軽にお申込みください。

この記事を書いた人

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