無意識で情報を取捨選択する脳

処理モデル
心理学
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どのような場面でも、私たち人間は無意識に情報を取捨選択しています。

「脳が処理できる量に限りがあるから」という理由なのですが、誤解や気分の落ち込みなどネガティブ思考を引き起こす原因にもなりますし、過度なポジティブ思考にもなりかねません。

無意識で情報を取捨選択していることを忘れてしまうと、思わぬ沼にハマってしまいます。

ちなみに、情報を自動的に(無意識で)取捨選択することを「フィルターを通す」といったり「色眼鏡でみている」といったりします。

そもそも、脳には限界がある

脳みそが処理できる情報量には限りがあります。

全ての情報を取得してしまうと、私たちは混乱してしまうからです。

例えば、講義で次のように思ったとしましょう。

よし、全部の情報を処理してやる!

〇〇は▲▲で・・・

体温は?
心臓の鼓動は?
胃腸の動きは?
足の蒸れ具合は?
何が聞こえてる?
・・・

全部の情報を処理するなんて、無謀だ〜〜〜!!!

チャレンジしてみると全部の情報を処理するのは、現実的に無理だということにお気づきになるでしょう。

また、学校で話を聞いていない人が出てしまう、聞き逃しが出てしまう原因のひとつでもあります。

情報をお金にたとえてみましょう

情報をお金に換算

どのくらいの情報量をお金にしてみると、わかりやすいと思うのでお金にしてみました。

周囲に1200万円分の情報があったとします。

脳が処理できるお金は、たった126円分といわれています。

※2000万円分が130円という具合に諸説あります。

簡単にいってしまえば、「大損」ですが、「混乱しなくて済むメリットや効率が良くなるメリット」があります。

想像の域ですが、おそらく効率良く判断した方が、いざというとき生存できる確率が高かったという人類の歴史が関係していると考えられます。

無意識で情報を取捨選択する脳をモデル化すると

処理モデル

情報を無意識で取捨選択する脳をモデル化した図です。

下記のモデルの方がわかりやすいかもしれません。

処理モデル

情報を五感で捉え、記憶や経験、思い込み、価値観、ルール、パターンといったフィルターで取捨選択した瞬間、体が何らかの反応をし(ここまで無意識)、思考し(ここ意識)行動します。

簡単にいうと、最初に無意識に情報を捨てて、身体が反応します。

次に、残った情報だけで感じ考えた結果、身体が反応したり、行動したり、会話したりします。

集中した状態とは、余計なことを無視することでもある

カンの良い方ならお気づきかもしれません。

全部の情報を入れるのではなく、必要な情報のみピックアップして、余計な情報を無視した状態が「集中している」状態なのです。

よし、集中するぞ!

かくかく、しかじかで・・・

フムフム・・・なるほど・・・

ところで、2分前の足の蒸れ具合は?

覚えていない・・・

授業や会議などに集中していたら、足の蒸れ具合を意識することもないし、記憶として覚えてもないのが通常です。

ちなみに、パニック障害(症)で広場恐怖がある場合、何かに集中した状態を意図的に作り出して、不安や恐怖を緩和する方法があります。

逆に、ドメスティック・バイオレンス(DV)のような暴力やいじめに対してのトラウマには、避けた方がいい場合も多々あります。

無意識に優先処理されるフラッシュバックやトラウマ

まず大前提として、ヒトは生き延びることを優先して処理します。

このため、フラッシュバックやトラウマに関係する情報は、無意識に優先処理されてしまうことが大半です。

さらに、生きるのに不都合と感じられるフラッシュバックやトラウマですが、逆をいうと自分自身を守ってくれる砦のような働きもあります。

「トラウマを無くしたい」、「トラウマまでとはいかないけれども、無意識的に処理してしまうことを無くしたい」と思っているのなら、いくつか考えておく必要があります。

解消することが本当に自分にとって有利なのでしょうか?

時にはトラウマなどがあることで利益を得ていることもあります。

脳は無意識に情報を取捨選択しています。

もしかしたら、自分に不都合なことを無意識に無視してしまっているのかもしれません。

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