ニューロフィードバックとは?
脳波のバイオフィードバックやEEGバイオフィードバックとも呼ばれるNeurofeedback(ニューロフィードバック)とは、モニタリング機器を使用して瞬間的な脳波の状態をクライアントに提供するトレーニングです。
また、QEEG(Quantitative electroencephalography)定量的脳波を使ったニューロフィードバックもあります。
目次
Neurofeedback(ニューロフィードバック) の歴史
1924年、ドイツの精神科医ハンス・ベルガーは、頭皮に小さな円形の金属製ディスクをつけ、検流計で小さな電力を測定記録することに成功しました。そして、1929年から1938年にかけて、ハンス・ベルガーは脳波研究に関する14のレポートを発表しました。
恐らく、1924年以前に脳や筋肉に電気的な流れがあり脳波や筋電があることがわかっていたと思われます。
1960年代にニューロフィードバックを実際に試みる研究が始りました。1980年代に関心が低下しましたが、テクノロジーが改善され21世紀になり復活しました。
Nina O, Bojan R, Piero P B, Uros M(Aug 2019). ” Review of the therapeutic neurofeedback method using electroencephalography: EEG Neurofeedback ” Bosn J Basic Med Sci. 2019 Aug 20;19(3):213-220. doi: 10.17305/bjbms.2018.3785. PMC 6716090 PMID: 30465705.
ニューロフィードバックの研究はアメリカを中心として進んでおり、 アスペルガー、ADHD、てんかん、うつ病、睡眠障害、PTSD、認知症などの精神疾患や、音楽やスポーツのパフォーマンス向上に効果があることが示されています。
現在、様々な疾患の症状改善を目的としたニューロフィードバックは心理療法として欧米において 保険適用になっています。
また、イギリス、アメリカ、カナダ、台湾、オーストラリア、シンガポールのオリンピックチームや、NASAの宇宙飛行士トレーニングセンター、F1チーム、アメリカ海軍・陸軍・海兵隊、プロゴルファー、セリエAミラノのパフォーマンス向上のトレーニングとして用いられています。
Neurofeedback(ニューロフィードバック)の 効果
Neurofeedback(ニューロフィードバック)の設定は非常に難しく、訓練を受けたセラピストでないと、効果を出すことができません。クライアントの心理状態、体調、癖、持病なども含めて、設定は常に変化します。
Neurofeedback(ニューロフィードバック) を受ける際には、訓練を受け効果を出せるセラピストから受けることをおすすめいたします。
Neurofeedback(ニューロフィードバック)のプロセス・機器
センサー
脳波をフィードバックするためのセンサーを導電性のペーストを使用して頭皮に貼り付けます。稀に脳に電気を流すも方法もありますが、当センターでは採用しておりません。
また、センサーを配置したキャップを使うこともあります。当センターでは、内容に応じて使い分けています。
アンプ
センサーからの信号を増幅し、デジタル信号に変換する機器です。センサーと一体になっているアンプもあります。
コンピューターソフトウェア
コンピューターソフトウェアは主に入力された脳波を表示し、望ましい条件設定(脳への報酬設定)、音や映像をフィードバックします。
脳の変化
脳が信号を生成すると、フォードバックが瞬時に行われます。脳は報酬を生成するパターンを十分に繰り返すと、パターンを学習し変化します。
繰り返しは習慣を作る
フィードバックを繰り返すことで、脳の習慣となります。このパターンは長期間保持されるため、しばらくすると、脳が教えられた状態を繰り返すことができるようになります。